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| 名古屋で代々、乾物店を営む店主から、日本の食卓へ一筆啓上。本物の美味しさを知っていただくために、少々苦言も申し上げますが、オヤジの話もいろいろ役に立つことがあるものです、ハイ。 |
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私のところでは、かつお節を納めるお客様の意向に応じて、生産者には生の魚から指定して作ってもらっています。「何キロぐらいのかつおで、なおかつ一本釣りのもの。それを何月から何月の間に切って、8月〜9月のはじめ頃に最終の天日干しができるように」という具合にお願いするわけです。
一般的に原料は、生産者から直接買うか問屋さんから買います。問屋さんは「一本釣りの本節だよ」と言って持ってきますが、私のところが特注で作るものとはまったく味が違います。口に入れると明快ですね。だから、気心の知れた生産者に直接頼まざるを得ません。一緒にお酒を飲めるくらい仲のいい、技術も文句なしの生産者とタイアップして特注の本節を作ってもらっています。
しかし、そういうものばかりでは商売はできないという悲しい現実があります。第一、こちらの意向を汲んで作ってくれる生産者がいま何軒あるか。どこも合理化して、手間ひまかけない大量生産に移行しています。それはそれで需要があるから必要なことではあるんですけど・・・。実際、私のところでも一本釣りではなく巻き網のものも扱ってはいます。荒節とか業務用のものとか、安いものが欲しいと言われればそういうものも仕入れます。
ただ、小売りする商品については別。やはり自信の持てるものを売っていきたいですからね。一本釣りで、自分たちの納得できるものを提供したい。スーパーで売っているものとは違う、というイメージをお客さんに持っていただくことが私のこだわりです。
(・・・つづく)
●第6話は「生産者が忘れていた技術」についておおくりします。 |
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