名古屋で代々、乾物店を営む店主から、日本の食卓へ一筆啓上。本物の美味しさを知っていただくために、少々苦言も申し上げますが、オヤジの話もいろいろ役に立つことがあるものです、ハイ。
 今回はかつお節の作り方について。まず、生のカツオを包丁でおろす。それを鉄とかアルミ製のセイロに並べて煮る。魚の大きさなどにもよりますが、だいたい1時間は煮るようですね。それを冷まして骨抜きをする。腹骨はピンセットで抜いていきます。この段階である程度の形を整える。どうしてもデコボコができるので、カツオのすり身を凹んだ部分に埋め、きれいにツライチにします。そして、焙乾。いわゆる燻製のことで、これにはかなり時間をかけます。一旦出して、また翌日、というふうに何回にも分けて燻す。そうやって徐々に魚の水分を抜いていく。焙乾すると煙のタール分がついて表面が黒くなり、これが腐敗防止になります。この状態になったものが「荒節」。荒節を削ったものが一般的にいう「花かつお」です。
 本節を作るためには、この荒節の表面のタール分を研磨してとってしまいます。そしてカビ付けをする。カビは水分を食べて生きているので、つまりはカツオに含まれる水分を取ってもらうわけなんですね。そして今度は、カビ付けしたものをお天道様に当てます。カビが浮いたところで、またカビ付けの部屋に入れる。それを3回ほど繰り返すとだいたい出来あがり。最初のカビは緑色で、2回目は茶色になり、3回目あたりになると表面は粉を吹いたような感じになります。約半年かけて生からそういう状態になると、本節の完成です。
(・・・つづく)
●第4話は「かつお節の善し悪し」についておおくりします。

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