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| 自らを“無限責任社員”と称する野田氏が愛してやまない、蔵併設の直売店はまさにノダ・ワールド。そこは、訪れる人の五感を刺激し、彼の味噌づくりに対する考え方、職人たちへの愛情を心地よく伝えているギャラリーそのものです。 |
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僕とトヨタ自動車の社長との違いは、名刺を見ていただければわかる。僕の肩書きは、「無限責任社員」。僕が一番嫌いな言葉が「責任」。子どもの頃から一番嫌いなのも「責任」。責任をとりたくない。にもかかわらず、「無限責任」を負うことになった。会社の資産も負債も、いい事も悪い事も全部、「おまえの責任だよ」と言われたわけで、逃げるに逃げられない。生きている間は「無限責任」が付いてくる。でも、自分が正しいと思うこと、こうあるべきだと思うことを、僕は実行できる。僕が決められるのだから。
トヨタ自動車の社長は車をつくれるかい? つくれない。僕は味噌を作れる。どっちが面白いか。自分で作ったり、自分でデザインしたものが市場に出て、評価も否定もすべて自分に返ってくる。これは、ある意味では快感。イヤだけど快感、ということ。気構えさえできていれば、すごく面白い立場だ。
もう一つ、僕は、仕事が嫌いだということ。10年ほど前、暗中模索の時代から、やっと出口が見えかかって這いずり上がってきた。社長になった最初の10年は、やることなすこと全て失敗、全部裏目に出た。そういう時代があって、それが過ぎて、自分がどれだけの器の人間かも見えてきたし、会社のことも見えてきた。そうしたら、大手とは違う、ということを痛感できた。自分の会社よりも20倍も30倍も大きい会社、味噌屋さんがあるわけだ。「そういうところを見てても、しょうがない。所詮、違うんだ」ということがよくわかった。僕が1千万持っていても、相手は20億とか30億持っているわけだ。元が違うから、やり方も違うということ。だったら、同じ土俵に立つのは止めよう、と思った。自分なりにやっていけばいい、背伸びをすることもないし、踏ん張ることもない、ごく自然にふるまっていけばいい。それ以来、大手の追従はやめた。メーカーから「こういう商品が出ましたよ」と情報は入ってくるけれど、絶対に追従はしない。
(・・・つづく)
●第10話は「従業員の姿をどれだけ描写できるか」についておおくりします。
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