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| 自らを“無限責任社員”と称する野田氏が愛してやまない、蔵併設の直売店はまさにノダ・ワールド。そこは、訪れる人の五感を刺激し、彼の味噌づくりに対する考え方、職人たちへの愛情を心地よく伝えているギャラリーそのものです。 |
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2002年の春、「デンマーク人が見た日本」というふうな番組の取材でデンマークの国営テレビが来て、ウァンさんという人とこの店で話をしました。僕が「こうやって味噌を売りたいと思っている」という話をしたら、彼は店内をぱっと見て「値段がないっ」と言ったんです。確かに、スーパーに行けば全部に値段はついてますよね。何が言いたいかというと、僕が一番いやなのは“会話のない世界”だということ。お客さんには失礼かもしれませんが、「ここに入って来る勇気があるんだったら、もの申せ。ものを言わないヤツには売ってあげない」という気持ちがあります。
この店に入ってきたら黙って帰れる人はいません。「いらっしゃいませ」「味噌1キロください」とか、何か言葉が交わされるのが当たり前。ここは情報入手の場だし、逆に、入ってくる人は何か情報を我々に発信してくれる世界だから、値段なんかすぐにわからないほうがいいと思っています。初めて入ってきた人は、「どの味噌がいい?」と、まずそう聞いてきます。自分が今どんな味噌を使っていて、どう思っているかとか、いろいろ話します。そして最後に「これ、おいくら?」ということになる。だから、値段なんかすぐにわからなくていい。そこに行き着くまでには必ずコミュニケーションがあるわけで、僕はただそれが欲しいだけなんです。
うちでは、味噌を新聞紙で包んで渡します。「これは人にあげるものだから、包装紙にして」と言われたら包装紙で包みます。今、我々の世界で一番必要な部分はそこなんじゃないでしょうか。デジタルの世界の中で、いかにアナログ的な価値観を拾い上げていくか。それに尽きますね。
(・・・つづく)
●第5話は「“感じる”ことの大切さ」についておおくりします。
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