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| 自らを“無限責任社員”と称する野田氏が愛してやまない、蔵併設の直売店はまさにノダ・ワールド。そこは、訪れる人の五感を刺激し、彼の味噌づくりに対する考え方、職人たちへの愛情を心地よく伝えているギャラリーそのものです。 |
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大手の追従をやめたということは、つまり、市場に乗る、流れに乗ることをやめたということ。逆に、大流がそちらに流れていくなら、僕はそこから抜けていこう、と考えるようになった。同じ流れに乗ってしまったら、うちは流されてしまう。自分たちのスタンスをつくり上げていけばいいんだ、とふと気づいた。当時は踏ん張ろう、踏ん張ろうと一生懸命やっていたけれど、そういうときは、たいてい裏目に出るもの。それでは、仕事も嫌いになるに決まっている。
でも現実は、ここで生きていかなければならない。「責任」が嫌いな人間が、さも大層な「無限責任」を負っている。おまけに、仕事が嫌いな人間が、仕事を一生懸命やっているわけで、これも現実。辛い仕事を何故こんなに一生懸命やっているんだろう、と思ったときがあるけれど、あるとき考えが変わった。そうだ、仕事を楽しくすればいいんだ、と。自分にとって楽しい仕事をやろう。僕にスコップを持たせても、スコップの柄を折るだけだ。桶を直させたら、むしろ漏ってしまうだろう。大豆を蒸したら、がちがちにしてしまう。そういうことは、それぞれ適した人がいるはず。そうなると、僕は所詮エンターテイナーでしかないんだ、と思った。従業員の姿をどれだけ描写できるか、どれだけ人に伝えることができるか。彼らは毎日、暗い蔵の中で、鼠のようにゴソゴソ動いている。桶の下に潜ったり、桶の中に入って、味噌まみれになっている。それがどんなに素晴らしい姿かを、僕は表現したい。そういうことを発信することが僕の仕事だと思ったら、楽しくなってしまった。
(・・・つづく)
●第11話は「味噌の向こうに全てが見える」についておおくりします。 |
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