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昔ながらの中華そばにこだわり、俺が今池の店で創りだしたのは、あじ節・さば節を使った中華そばだった。俺としては、まだ自分の求める味には到達していなかったため納得できなかったが、この中華そばが大売れ。店には取材やら口コミのお客やらがどっと来て、すいぶんと繁盛した。経営者としてはこれで良かったのかもしれないが、俺は経営で成功するためではなく、俺が食べたいラーメンを創るためにラーメン屋になったんだ。だから、店で出すラーメンに不満を抱き、厨房では試行錯誤を続けていた。
そんな時、問屋から良質のかつお節が手に入り、それで中華そばを作ってみたら…。まさにこの味、俺の求めていた味に近いものが、つい完成した。これだっ!と早速、店の中華そばをこの味に切り替えると、今まで御贔屓にしてくれたお客さんからは不評。今までの味がいいと言う。人間の味覚ってのは、難しいもんだ。でも、俺はついに俺のラーメンを完成させた。それが何よりうれしかった。 |
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