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始まりは、小さい頃に食べたうどん屋の中華そばだった。俺の子供の頃は、うどんやそばよりも中華そばの方が高く、食べられるだけで嬉しかった。今も舌が覚えている、あの味。ところが、近頃じゃ、どこも洒落たうどん屋ばかりで、あの中華そばはどこを探しても見つからない。それなら自分で作るまでだ、と俺は高校を卒業すると、あの味の追求を始めたわけだ。古き良き時代の味、思い出の味へのこだわり、それが俺の原点だ。
最近は家で料理をしない人が多くなり、その分、家庭料理をメニューに出す店が増えているという。手軽で、見栄えも良く、それなりの味が受け、スーパーやデパートの惣菜売場も大繁盛らしい。しかし、工夫なき食卓からは、家々の味が消えていく。そんなことでいいんだろうか?古くからの味を伝え残していくこと。本物の味を守っていくこと。それぞれの人達が自分の「食」や「味」に関してこだわりを持つこと。俺は、それが今の食卓に必要なことだと思う。 |
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