自分の子どもに食べさせたい豆腐をつくればいい。それに気づいて以来、コツコツと積み上げてきた“いしかわ流”の価値観を、21世紀「マインドの時代」にあるべき日本の農業から経営者像に至るまで、さまざまな観点から紐解きます。
 僕がいま特に力を入れて考えてるのは農業問題。なかでも「自給率の向上」をテーマにしている。先進国のなかで日本ほど自給率が低下してしまった国はない。国民が食べるものを全部よその国から買ってるような国を、果たして栄えていると言えるんだろうか。物質的には栄えているけど、カルチャーの面からみたらどうなの?と言いたくなる。輸入した食材で日本流の食べ物を作ったところで、それは日本の食文化とは言えないんじゃないか。僕らが国産にこだわる理由はそこにある。
 僕らがいま使ってる穀物は大豆と小麦。お豆腐屋さんのなかでも輸入大豆が非常に幅をきかせてるけど、僕は国内産大豆を100%使って豆腐を作っていきたいと思っている。一方で、問屋さんに「国産の大豆をちょうだい」と言えば済む話かというと、そうじゃない。それが果たして国内産大豆の需要拡大につながるかというと、ちょっと違う気がする。だったら、実際に僕らが農家の人たちとダイレクトに話をして、いろいろ考えながら作ったらどうだろう、ということになった。で実際にいま、岩手県の玉山村、大分県の宇佐、そして愛知県では高浜・刈谷・安城の圃場と契約して大豆を作ってもらっている。
 さらに、農協や農家の人たちと定期的に会って話をして、実際にどうやって大豆を作るのかを勉強し始めた。その結果、いまではトレーサビリティにまで取り組むようになった。僕らは「栽培履歴」とよんでいて、それを明確にしようということまでやるようにしている。
(・・・つづく)
●第2話は「栽培履歴の確立」についておおくりします。

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