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| つけもの講習会を通じて地域社会や子どもたちと接し、食文化継承のために日々奔走する“つけもの先生”。彼の食に対する哲学もまた、じっくり漬け込まれた、奥深い味わいが特長です。 |
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伝え方は重要だ。お宝物産研究会でも言っているのは、「三方良し」の状態をつくろう、ということ。これは、近江商人の言葉だが、「売り手良し、買い手良し、世間良し」という意味。自分たちだけにメリットがあるのでなく、買ってくださる方、世間が認めてくれる状況をつくらなくてはうまくいかない。それが商売の基本だと思うし、コミュニケーションのあり方だとも思う。誰か一人だけにメリットがあっても、それは続かない。
能登半島の七尾市にある七尾農業高校には、キクイモの栽培方法を研究している先生がおられる。私どもはキクイモの漬物を開発した経緯があって、その先生とは2年ほど前から「キクイモが町おこしの一つのきっかけにならないか」という話をしている。例えば、キクイモを栽培して販売するだけでは単純すぎる。そうでなく、学校を絡め、農協を絡め、生産者を絡め、またわれわれを絡めて、コラボレーション体制をつくりたいと考えている。そうすることによって、一つの産業を興すことができるわけだ。七尾あたりにはほとんど特産品がない。だから、中山間地域の休耕田対策として、キクイモを転作作物として使えないか、ということ。それは、農協としてはメリットのあることだし、野菜を集荷して選果する業務も発生する。また、農協の空いている工場を使って加工すれば、近辺のおばちゃんたちの働き口ができる。そこで商品を開発して、いいものができれば、和倉温泉という消費地もあることだ。一方、学校側は、そういう研究をすることによって関係者にコネができ、学生の就職口ができるかもしれない。ということで、まさに「三方良し」だ。
ところが、それが遅々として進まない。農協の常務あたりにそういう話をすると非常にしっくりくるようだが、現場の課長レベルだと「儲からんからダメ」となってしまう。仕方がないので、現場のおばちゃんに「こうやって作るんだよ、こうするとおいしいよ」と説明すると、彼女たちは即その気になってくれる。理念というか、企画やシステムのレベルは高くあらねばならない。でも、大事なことは、現場の人たちにいかに火をつけるかということ。それは重要なことであり、また楽しいことでもある。商売につながるかどうか、まだ先は見えないけれど、こういう話には夢がある。
(・・・つづく)
●第6話をお楽しみに・・・。 |
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